タータンを歴史の理解と共に楽しむ
タータンは暮らしや、装いのアクセントとして万能といえます。このタータンはタータン・チェックとも呼びますが、本当はタータンのみで完結している名前です。
(数千あると言われるタータン柄、生地の一部)
バグ・パイプを鳴らし、スポーランを腰につけ、キルトスカートで進む軍人の姿はスコットランド兵の正装です。スポーランはいわば小物入れ。キルトにはポケットが無いので、小物入れに使います。金属のアクセントや毛皮のアクセントがついた豪華な物もあります。
(スポーランを身につけた正当なタータンスタイル)
このタータン、歴史を遡ると厳しい時代を乗り越えてきたことを感じます。
スコットランド氏族の権威ある象徴として生まれたタータン。ベルト付きの格子柄のキルトは、もともとは男子用の物でした。
タータンの柄が所属している氏族(クラン)を表すようになったのは16世紀頃のようです。地域や、一族ごとにクランが生れ、それは軍隊式に組織されていきました。
1746年、スコットランド軍がイングランドを攻めましたが失敗に終わりました。この「カロデンの戦い」以後、クラン・タータンは姿を消しました。禁止されたのです。それはタータンが氏族の象徴でありスコットランドの武装を意味したからです。
ちなみにバグ・パイパーは兵士の事も意味していました。敵を威嚇する進軍ラッパのようなものでした。バグ・パイパーは進軍の先頭を行き、敵に撃たれやすいですが、これが勇者の誉とも言われたようです。
このタータンの禁止令が解除されたのは1782年です。36年間タータンは禁止されたのです。同時にバグ・パイプの演奏や伝統衣装のキルト着用も禁止されていました。
しかし、タータンは生きている伝統です。新しくファミリーのために作られ、登録され、今日、確かな伝統として輝く存在になっています。
ざっと見れば伝統的なクラン・タータン、地域を表すディストリクト・タータン、企業を表すコーポレート・タータンなどなど多彩です。
よくできているタータンのキルトスカート(女性物はキルトスカートと呼ぶようです)、上級の物はプリーツに折っても、元の柄が出るように最適なプリーツ間隔で織られています。
(POLO BCSのハウスタータン)
ちなみに私達のPOLO BCS(ポロ・ブリティッシュ・カントリー・スピリット)ブランドにも登録されたハウスチェックとしてのタータンがあります。
伝統的でしかもスポーツ感をミックス。時代を超え、いつ見ても新鮮なタータン。「老若男女」ともに楽しめる柄といえるでしょう。