暮らしに活きる、マーシャル・マクルーハンとエルンスト・シューマッハー

暮らしに活きる、マーシャル・マクルーハンとエルンスト・シューマッハー

今のままでは、国連の提唱する30年までのSDGs(持続可能な開発目標)の多くが未達になりそうです。現在、日本は頑張っているので24年は世界18位のところにいます。

しかし世界では、まだまだ課題は未解決で、169のターゲト(小目標)の中で、解決済みは、たったの16%です。特に地球温暖化はブレーキがかからず、まだ「沸騰化」が進んでいます。今や生活観を変える最終章に入っていると思っています。

 

温暖化は止まらず、災害や砂漠化は進み豪雨や河川の氾濫も起きています。

さてここで目線を変えて、世界の産業活性化をもたらした事柄に注目してみましょう。おそらく、蒸気機関の発明により変革をもたらした「英国の産業革命」がその筆頭だと思います。

 

Printing press.jpg
By John Farey - https://www.lookandlearn.com/history-images/YW023776V/Printing-a-three-quarter-view-of-a-press, Public Domain, Link

昔の印刷機

 
しかし、もう一つ隠れた大発明があります。それはグーテンベルグの発明した印刷機でしょう。これにより文章や記録が瞬く間に社会に伝って行ったのです。

いわば古典的なメディア革命が始まったのです、現代にも聖書、新聞、書籍、雑誌、ポスター、リーフレットなどがありますが、すべて印刷技術のおかげです。

今日、アナログからデジタルへの転換のスピードは高まっていますが、印刷そのものが生活文化に与えた影響は計り知れません。

そういうわけで今回は「人間拡張の原理」を唱えた、マーシャル・マクルーハンと「スモール・イズ・ビューティフル」を提唱したエルンスト・シューマッハーに着目してみたいと思います。

マクルーハンはメディア論の先駆者で1960年代に大活躍しました。

 

DC-3 Flygande Veteranerカラーによる、リディンゲ(英語版) - スウェーデン間のスカンジナビア航空の飛行(1989年)
Towpilot - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, リンクによる

鳥のように空を飛びたい。もっと早く。その傑作が「ダグラスDC3」。
世界中で使われました。

 

「そもそも人間は機知と想像力を高め、その能力の拡張を求める」と言うわけです。鳥のように空を飛びたいという考えが「飛行機」を生みました。小説と新聞と演劇を一度に見られないかという願望が「映画」を生みました。自分が走るより馬車の方が早い、もっと早く、長く走れないか。そこで「自動車」が生れました。魚のように水の中を長く泳げないかという思いが「アクアラング」を生み出しました。

「五感の拡張であるメディア論」に優れた人として、マクルーハンは時代の中に華やかに登場しました。今、人間拡張の原理は「人間を宇宙に住ませたい」というところまで発展してきました。

しかし、知恵はともかく、あくなき欲望をそのままにすれば、 地球の限界が来ます。プラネタリ・バウンダリーと言われています。

ここで注目されたのは、「スモール・イズ・ビューティフル(小さいことは美しい)」を唱えた、エルンスト・シューマッハーです。

 

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CC 表示-継承 2.5, リンク
いつまでも進化している人気のコンパクトカー。

 

人間中心の経済学を唱えたい人です。英国の経済学者ですが、資源や規模の問題について1973年に唱えました。いま、残念なことに世界では「争い」という不毛な浪費が人々を襲っています。

未来の子供達のため。美しい郷土のため。少しずつ譲り合い。人々が安心して暮らせる地球。SDGs目標の実現に向かって「クオリティ・オブ・ライフ」が注目されています。「もったいない」の再評価です。


東京表参道のスタンド・コーヒショップの入り口。「KOFFEE MAMEYA」の名前で、世界中からコーヒー通を集めています。

マクルーハンの「人間拡張の原理」。
シューマッハーの「スモール・イズ・ビューティフル」。

この二つの概念は永遠に続く、MD開発のテーマだと思っています。
私達POLO BCSは、このバランスのもとに歩みを進めていきます。

そして、残そうと思わなくても心地よく暮らしに残るもの。そういうものを造っていきたいと思います。