アップサイクルが暮らしに浸透し始めてきた

アップサイクルが暮らしに浸透し始めてきた

表参道ヒルズの「同潤会アパート」の名残。表参道ヒルズはモダンな建物ですが、ここに「同潤会アパート」があったと、古い風情で新しく元の表情で建築しました。(アップサイクルとは少し異なりますが)

近年、サスティナビリティ(持続可能性)や、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)は、新しい常識になっています。環境問題や資源問題、そして急速に暮らしに影響をもたらしている気候問題など、私達を取り巻く世界は経験したことがないほどの変容を見せ始めています。

「一人で考えていてもどうにもならない」。しかし、大きなうねりは一人一人が生み出す小さなムーブメントで起こります。

社会の変化とは、最初は小さくて誰も気づきません。しかしそれはいつしか大きな波となり、潮流となり、新しい常識となっていきます。

モダンな木質。木のぬくもりが心を落ち着かせます。

近頃の木質ビルの誕生にもそれを感じます。新しい建築雑誌を見ても、木質系の新建築(ビル)が多く取り上げられています。エコロジー発想がビジネスや暮らしの中に入り込んでいるのです。

こうした中で今日、アップサイクルも注目されています。

アップサイクルとは、今あるものや古いものを利用して別の用途のものに作りかえ、新しい価値を与える事です。

横浜みなとみらい レンガ倉庫 ショッピング・モール

建築で例を上げれば、横浜のレンガ倉庫があります。もともとは倉庫ですが、その表情、価値を活かして人が集まるショッピング・モールにデザインされています。人をあつめ、楽しませるアップサイクル化です。

古いタンスと赤いアクリル板。レトロモダンでタンスの引き出しが別次元になりました。

これはリサイクルとは異なります。リサイクルとは廃棄物などを利用して新しい価値を生み出すプロセスです。ペットボトルが新しい繊維原料になり、あるいは、また新しいペットボトルになるようなことです。

それに対し、アップサイクルとは新しい付加価値を生み出すことです。
廃材も加工によってはクラシカルモダンな表情を出します。

古材のモダンチェア

古材集積の高級?テーブル

私達のまわりには捨ててはもったいない物。まだまだクリエイティブ活動によって先端的な表情までを出す、価値のある物で溢れています。
ゼロ・ウエイスト活動(廃棄物を無くす)ともいえます。

交通標識に使ったビニールの幕、あるいは自動車のシートベルトの再利用などもあります。自動車のエアバッグなども使われています。

米袋のアップサイクル・トートバッグ

ちかごろ見つけたのは、使い終わった米袋のトートバッグです。とても丈夫です。これを使用し、柿渋染めをしたトートバッグ。

考えれば、いろいろあります。古くなって捨てるのでなく、造られたものに新しい価値と命を吹き込む。アップサイクル活動とは、モノやコトに永遠の命を吹き込むことだと思えてきます。

潰れたおもちゃのアート作品。皆様、どのように感じますか。

アップサイクルは暮らしを楽しむ新しい手段です。

POLO BCSは、モノやコトの永続性と新しい進化としてのアップサイクルにも着目していきます。